「親がやらせたいこと」に潰される子どもたち①

親がやらせたいことを押し付けるのではなく、子供の活力をあげるには?これまでの常識や観念,制度を捨てる必要があります。タイトルは”潰される子供たち”ですが、そうではない成功事例が3つほどあげられていますので紹介します。
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「親がやらせたいこと」に潰される子どもたち
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自分がやりたくないことを、嫌々やらせられている子どもがたくさんいます。いまだに「子どものためになるなら本人が嫌がってもやらせるべき」と考える親が多いからです。そして、子どもが嫌々ながらでもやっている姿を見て大いに満足します。

でも、このとき子どもは大して伸びていません。それどころか、もっと大いに伸びることができたはずの時間とエネルギーを無駄遣いしているのです。なぜなら、子どもがいちばん伸びるのは、自分がやりたいことや好きなことに熱中しているときだからです。たとえそれが親から見ると価値の低いことであってもです。これは、小学校の教師として数多くの子どもたちに接し、その後も教育評論家としていろいろな実例を見てくる中で到達した結論です。今回は3つの実例を紹介します。

●絵を描くのが大好きだったAさん

小学5年生の女の子・Aさんは絵を描くのが大好きでした。でも、お母さんは「高学年になったんだから、絵なんかよりもっと問題集をやりなさい」と言っていました。そんなある日、私は学級懇談会で子どもが好きなことを応援することの大切さを話しました。すると、お母さんは大いに納得してくれて「そんなに絵が好きなら応援しよう」と決意しました。それからは、本物の絵を見に美術館に連れて行ったり、図書館で絵の本を借りたりなど、いろいろ応援し始めました。

そして、あるとき、お母さんは色数の多い色鉛筆を買ってあげました。これが非常によかったようで、Aさんは絵を描くのがますます好きになり、ぐんぐん上達しました。やがて、クラスメートたちが「絵がうまいね」と褒めてくれるように。ある日、1人のクラスメートに頼まれて猫の絵を描いてあげたところ、それが評判になり、休み時間になると絵を描いてもらいたい子たちがAさんの周りに集まるようになりました。

Aさんはもともと消極的で友達も少なく、授業で発表することもありませんでした。片付けが苦手で、朝も遅刻ぎりぎりで登校してくるような子でした。それまでは、朝お母さんに起こされてもなかなか起きなかったのですが、毎朝自分で起きて、かなり早く学校に来るようになりました。なぜなら、絵を描いてもらいたい子たちがほかのクラスからも来るようになって、休み時間だけではさばききれなくなっていたからです。

友達もたくさんでき、生活全体に張り合いが出て、毎日明るく楽しく生活できるようになりました。しばらくしたら授業中に発表するようにもなりました。絵のことで自信がついて、いろいろな面で好循環が始まったのです。

これが5年生のときですが、6年生になってしばらくしたら、Aさんは絵をあまり描かなくなりました。そのことを聞いてみると、「絵は飽きちゃった。今は手芸がいちばん好き」とのことでした。私は「やっぱり子どもだなあ」と思いました。子どもは、好奇心旺盛でいろいろなことに興味を持ってやってみたくなるものなのです。彼女は、すでにそのときは手芸に熱中していて、休み時間には5、6人の女子が1カ所に集まって手芸の小物づくりに没頭していました。お母さんは、最初は抵抗があったようですが、潔く絵のことはあきらめて、手芸のことを応援してくれました。

そんなある日、彼女は小学生新聞を読んでいて、手芸の小物をPTAバザーで売るというアイデアを閃(ひらめ)きました。それで、友達を誘って役員さんに頼みに行き、許可を得ました。バザー当日も「いらっしゃい。いらっしゃい」と声を張り上げて売りまくり、収益金を福祉団体に寄付しました。この一連の過程を、すべて彼女がリーダーになって実行しました。数年前なら考えられないことでした。これくらい子どもというものは変わることがあるのです。そのきっかけは、大好きな絵をお母さんが応援してくれて、絵のことで自分に自信が持てるようになったことです。

小平健介

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「親がやらせたいこと」に潰される子どもたち②

~続き

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「親がやらせたいこと」に潰される子どもたち
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●建築士・Bさんの場合

次は、講演先で知り合った建築士・Bさんのお話です。Bさんは、子どものころ、上杉謙信の歴史マンガを読んでとても面白いと感じ、それからは戦国時代の歴史マンガばかり読むようになりました。両親も応援してくれて、戦国時代の歴史マンガを図書館で借りたり、書店で買ってくれたりしました。しかも、たくさん! やがて、戦国時代の本ならマンガ以外の本も読むようになり、有名な戦国武将100人について、名前と幼名、領国の名前、得意な戦法、有名なエピソードなどを覚えてしまいました。

両親の応援も熱が入り、各地の城や博物館に連れて行ってくれるようになりました。城をたくさん見ているうちにその美しさにひかれ、城の本を読むようになりました。それで、有名な城の名前、場所、特徴、領主の名前などをたくさん覚えました。やがて城の石垣に対する興味が高まり、石の積み方について調べるようになりました。日本の城だけでなく、中国の城、マヤ文明、インカ文明、エジプトのピラミッドなどの石の積み方も比べて面白かったそうです。

次に、城の模型を作るようになり、それがきっかけで建築一般に興味を持ち、とうとう建築士になりました。もともと、いわゆる勉強は嫌いで成績も振るわなかったのですが、建築士になりたいと思ったとき急にスイッチが入り、どの教科も頑張って勉強するようになったそうです。

●次は小学2年生の男の子・C君のお話

生活科の授業でダンゴムシ採集をしたときのことです。ほとんどの子は2、3匹見つけるのがやっとでしたが、C君だけは数え切れないほど見つけて、その箱の中にはダンゴムシがうじゃうじゃいました。しかも、箱の中にはダンゴムシが好む湿り気のある土、枯れ葉、腐葉土、隠れ家になる朽ち木なども入れてありました。子どもたちは口々に「C君、すごい!」「ダンゴムシ博士だ」と言いました。

C君は、湿り気のあるところや枯れ葉の下を探すといいことなど、コツをみんなに教えてくれました。その後も、なかなか見つけられない子にはダンゴムシを分けてあげたり、卵を抱えたダンゴムシを見つけたり、卵からかえったばかりのダンゴムシの赤ちゃんを見つけたりなど、大活躍しました。

C君は日頃からダンゴムシに限らず虫が大好きで、いろいろな虫を自分で捕まえたり飼ったりしていました。お母さんとお父さんも一緒に虫探しをしたり飼育を手伝ったりなど、いっぱい応援してくれていました。図鑑、絵本、学習マンガなども買ってくれて、C君は好きなことをどんどん伸ばすことができたのです。虫の名前

C君は、この日以降みんなからダンゴムシ博士とか昆虫博士などと呼ばれるようになりました。これは彼にとってとてもうれしかったはずですし、自信にもなったと思います。それまでは、ちょっと孤立している雰囲気があり、子ども同士でケンカすることも多かったのですが、それ以降はほとんどなくなりました。係の仕事もサボりがちでしたが、ほかの子と協力して仕事ができるようにもなりました。つまり、みんなが自分を博士として認めてくれたので心を開くことができるようになったのです。

小平健介

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「親がやらせたいこと」に潰される子どもたち③

~続き

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●子どもを応援してあげることの大切さ

ここまで3つの実例を紹介しました。私は、ほかにもいろいろな実例を見てきましたが、子ども自身が好きなこと、やりたがっていることを親が応援してあげることは本当に大切です。親が応援してくれると、子どもは毎日自分がやりたいことをたっぷりやれて、楽しい気持ちで生き生きと生活できるようになります。やりたいことを応援してくれて、褒めてくれる親のことが大好きになり、親子関係がよくなります。また、気持ちが満たされているので、兄弟や友達にも優しく親切に接することができるようになります。

親の応援があれば、子どもは好きな道をどんどん深めることができます。すると、「これは自信がある。これなら誰にも負けない」と思えるようになり、自己肯定感が大いに高まります。それによって、ほかのことでも「できる。頑張れる」と思えるようになり、苦手なことが改善することもあります。Aさんのように、朝、自分で起きられるようになったり、発表ができるようになったりすることもありますし、C君のように友達とケンカすることが減ったり協力して係の仕事ができるようになったりすることもあるのです。

●好きなことに熱中しているうちに、地頭がよくなるという点も重要です。

たとえば、アンパンマンが大好きで、そのキャラクター図鑑を見ているうちに、平仮名、片仮名、漢字が読めるようになります。説明を読んだり図解を見たりしているときに、理解力、読解力、情報処理力がつきます。名前、性格や特徴などをたくさん覚えるときに、同時に記憶力がつきます。覚えたことを親や友達に話しているときに表現力がつきます。こうなってくると、いわゆる勉強をしたときにもよい結果が得られるようになるのです。

●自己実現力がつく

さらに、非常に重要なことがあります。それは、自分がやりたいことをやれている子は、「自分がやりたいことを、自分で見つけて、自分でどんどんやっていく力」、つまり自己実現力がつくのです。そういう人はプライベートも仕事も充実して、楽しい人生が送れます。ところが、実際は、大人でも「言われたことはできるけど自分では動けない」「自分は何をやりたいのかわからない」という人がたくさんいます。こういう人は、プライベートも充実しませんし、仕事においても受動的にしか動けません。自ら斬新な新企画を打ち出したり、イノベーションを起こしたりもできません。

子どもの頃から「受験、受験」と追いまくられ、やりたいことがあっても「そんなことはやめて過去問を解きなさい」と否定され、ペーパーテストはよくできるようになり、偏差値の高い有名大学に入れた……。その結果、立派な歯車にはなれたけれど、自己実現力はイマイチになってしまった……。こういう実例はたくさんあります。

子どもにやりたいことや好きなことがあっても、親が応援してくれないと子どもだけでは何もできません。必要な物も買えないし、情報も得られないし、体験もできませんから、何事もちょっと好きというだけで終わってしまうのです。子どもがせっかくやる気に満ちあふれていたのに、本当にもったいないことです。ですから、親は自分がやらせたいことを優先するのではなく、子ども自身がやりたがることを優先してください。そうすると、すばらしいことがたくさん起こります。
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(引用以上)

小平健介

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