*「具体的に」「進歩の度合い」を中継してみせること、子育ても人材育成も共通かも
子どもたちはいつだって親に自分のことを見ていてもらいたくて仕方がありません。
「ママ、パパ、見てて!」という台詞は親になったら誰しもが浴びせかけられる言葉。
それに対して、どんな返事をしていますか?
「すごいね~」「じょうずだね!」の二通りの返答になっていませんか?
もちろん、それらも間違いではありません。
でも時にその返答は、子どもたちに「ママやパパはいつも同じことしか言わない」とがっかりさせたり、あるいは、いつも褒められることを意識して「ママやパパが好きそうなこと」を先回りするクセをつけてしまうかもしれません。
今回は子育てアドバイザーであり、4子の母である筆者が、子どもたちのやる気を引き出す褒めワードをご紹介します。
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子どもたちが大人が褒めそうなことを見越して先回りするいい例が、お絵描きです。
マルを描いては「すごいね!」そのなかに点々と線を引いては、「上手だね!」では、何とも芸がありません。
こんな風に言ってはどうでしょうか?
「ここと、ここの色の組み合わせが、ママは好きだなぁ」
「ここの線がまっすぐでかっこいい!」
どんなに細かいところでもいいのです。こんな風に言うと、「ママはちゃんと自分の描いた物を見てくれている」と子どもたちはとっても嬉しくなります。
そして子どもたちも、「大人の顔色を見る」のではなく、「ここは薄く塗ったんだ」「ここは黒で周りを縁取ったんだ」などと、「自分なりのこだわり」を主張し始めるようになります。安心してそれぞれの個性を伸ばしてゆけるのです。
▼小さな進歩を認める
例えばお絵描きでは、
「こんなに大きなマルを描けるようになったんだ~」
ジャンプを見せてくれる子には
「この間までは、ここくらいまでしか飛べなかったのにね。ここまで飛べるようになったんだね!」(具体的に手で高さを示しながら)
縄跳びだったら、
「この間は○回飛べたよね、今回は何回飛べたのかな?」
などと、さり気なく目標設定してあげると、子どもたちは俄然やる気になります。
誰かと比べるのではなく、また、親の物差しで測るのではなく、具体的な進歩の度合いをコメントするだけで、こどもたちはとても満足します。その進歩はほんの少しでもいいのです。
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▼「褒める」ことのデメリット
そして褒め過ぎは、子どもの能力を奪います。褒めるということは「あなたはそこまででいいんだよ」と言っている一面もあるのです。
ママも、「すごいね、お皿洗いがじょうずだね!」なんて言われたら複雑ですよね。時には褒めないことも必要です。
我が家の姉二人は台所仕事が大好きでした。小さい頃からお皿も率先して洗ってくれるので大人達が褒めていたら、小学生になったあるとき、「そんな頼み方じゃ、洗ってあげない」と、こうきたのです。
失敗したなぁ、と思いました。お手伝いは毎日の仕事。
わが家は大家族なので、一人一人に手伝ってもらえないと回りません。
今ではそれをちゃんと分かって自分の分の食器、お弁当、水筒を洗うのは日課になりましたが、“褒める”ことの難しさを感じた事件でした。
以上のことは一見簡単に思えますが、意外と皆さん「すごい」「じょうず」が口癖になっているものです。
この二語を封印して、「具体的に」「進歩の度合い」を中継してみてください、きっと嬉しそうなお子さんの顔が見られるハズですよ!
匿名希望