子どもの想像力を奪わないで!~消えたおままごとの理由~

親や大人たちは子どものためを想い、良かれと思っていろんなおもちゃを買い与えようとしますが、ちょっと待って!そのおもちゃは子ども達が本当に望んでいるものでしょうか?

「園舎はなく、園庭は街ぜんぶ!」「子どもも大人も一緒に過ごして、どちらも主役になれる」「親も子ども達も保育士も、みんなフラットな関係で育ち合う」という場所【おやこ保育園】を実現されている、小竹めぐみさん・小笠原舞さんの著著『いい親よりも大切なこと』P75~76から引用します。

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(引用開始)

◆おままごとセットの落とし穴

 よく知る、とある保育園での話です。この園には、既成のおままごとセットがありませんでした。子ども達は、積み木やフェルトを丸めて縫ったものなど、いろんなものを食べ物に見立てておままごとをしていたのです。しかしある年、それぞれのクラスに最新のおままごとセットが導入されました。ガスコンロ、水道、調理器具、お皿、野菜、オムライスまでもが揃ったとても立派なものでした。

 その後、その園の子どもたちにある変化が起こったのです。
 室内でのおままごとに集中する時間が圧倒的に短くなったのです。さて、何が起こったのでしょう?

 おもちゃのリンゴは、もうリンゴでしかありません。同じく、おもちゃの包丁でカットすると、マジックテープの付いたリンゴが2つに割れて、まるで本当に切ったように見える楽しい仕組みもあります。でも、やっぱりリンゴ。以前だったら、お皿に見立てたものに積み木が載っていて、「今日はシャケおにぎりだよ」「ケーキをどうぞ」などと、同じものから、子ども達がそれぞれ、どんなものにでも変身させていました。積み木でない他のものを載せてもいいし、何を使ってもよし!というように、とても柔軟だったのです。
 ですが、リンゴやナスなど「それでしかない」というものになった瞬間に、想像力に限界が出てきて、おままごとの内容が狭くなりました。それはそうです。明らかにリンゴの形のものを、お魚だと想像するのは、かえって難しいでしょう。想像力を使う必要がなくなり、集中する時間が短くなったということです。

 一方で、園庭でのおままごとは、以前と同じように集中力が続いていました。外にはおままごとセットがないので、泥だんごや砂利などをご飯に、葉っぱをお皿に見立てるなど、子どもたちが想像できる余地があったからでしょう。
 おままごとセットを買ってはいけないということではありません。わざわざ立派なセットを用意しなくても、身近にある、ちょっとした何かを見つけて、子どもたちは楽しく遊ぶことができることを知っておいて欲しいのです。

(引用終了)
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アインシュタインは幼い頃、ひとり積み木で黙々と遊び続けていたといいます。積み木のように、自分の頭や心でいくらでも展開していけるものだと、考える力、好奇心、探究心など様々な力を育て続けることができるのかもしれません。

想像力を使う余白があり、「何にでもなれるもの」。それが、子どもが飽きずに楽しめるおもちゃとなるものの何よりものポイントだと、小竹さん、小笠原さんは言います。子ども達と接する時は、その視点を頭においておきたいものです。

 

 

 

 

久保田彰子

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