フィンランドの子供たちは騒がないって本当? 保育園の騒音問題がない理由

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教育や福祉に手厚い男女平等の国、フィンランド。この北欧の国は、子育てしやすい国として知られて、待機児童の問題などもない。そんなフィンランドの人たちにとって、日本における保育園の騒音問題はどのように映るのだろうか。
フィンランド人男性と結婚後、現地に移住し2人の子供を育てるフリーライター・靴家さちこさんが、フィンランドの子育てや保育事情をレポートする。
日本では、自宅の近所に保育園が建設されることが決まると反対運動を起こす人達がいるという。子供たちの声や送迎の保護者たちのおしゃべりなどの音が「騒音」とみなされているほか、公共の土地を利用することへの不公平性や、保育園が建つことで閑静な高級住宅街のイメージが損なわれて、地価が下がるといった心配の声があるという。
このような状況下で、どうしたら保育園の増設ができるのか、地域住民との共存が実現できるのか、フィンランドの現状と照らし合わせて考えてみた。日本では、保育園の騒音問題が議論になるが、筆者の自宅の隣にある保育園は――全然うるさくないからだ。

■日本とフィンランドの「あるべき子供像」の違い
長男が2歳を過ぎ、室内遊びもワイルドになってカン高い声をあげるようになると、夫は「叫ぶな」と止めるようになった。長男は静かな子だったので、「たまにはこれくらい良いでしょう」と間に入ると、夫は「この家には大人も住んでいるんだ。大人も子供も快適な音を、この子にも教えるべきだよ」と譲らなかった。
夫のやり方を見ていると、ワイルドな遊びが全てダメという訳ではない。が、遊びが盛り上がって長男が興奮してくると「やりすぎたら寝つきが悪くなるからね」と、静かな遊びに切り替えたり、外遊びやドライブに連れ出している。さらに、夫自身が疲れている時や長男を落ち着かせたいときには、夜寝る前でもないのに、本を持ってきて読み聞かせたり、DVDを観せたりもしている。
やがて長男が3歳になり、一緒にフィンランドの子供番組を観るようになると、日本とフィンランドの「あるべき子供像」の違いがもっと見えてきた。日本の子供番組では若いお兄さんとお姉さんが元気一杯に子供達に挨拶し、子供達はそれに輪をかけて大きな声で挨拶する。一方、フィンランドの番組の司会者は30~60代ぐらいまでとやや年齢が高く、静かで落ち着きがある。中には子供達が出演するコーナーもあって、普通に元気な子供もいるが、聞き取れないぐらい静かな声で話す子供や、うつむいてばかりいる子供達もいる。日本の子供達と比べると確かに「覇気が無い」ようだが、にぎやかで元気いっぱいの“子どもらしさ”を意識せず、実にありのままである。
■「子供はうるさいもの」という既成概念が共生を邪魔する?
防音のみならず防寒の観点からも、分厚い壁や二重窓を日本家屋に取り入れたらいいと考えたことは何度もあるが、日本の場合は、湿気や暑さも考慮に入れなければならない。法律や制度も、同じものをあつらえたところで、適用される国の文化や伝統が違えばそれまでだろう。しかし少子高齢化、女性の社会進出が日本よりも10~20年早かったフィンランドには、これからの社会や子供達を取り巻く環境を考えるうえでヒントになることも多い。
日本で保育園施設の反対運動が起こっていることについて、周囲のフィンランド人の意見を聞いてみたところ、「日本は人口が多いからね」と同情したり「フィンランドだって、自宅の隣が突然保育園になったら歓迎する人はいないだろう」と反対派の意見に同調する人もいた。しかし、多くの人々が「フィンランドでは起こりえない問題」と結論づけた。
なぜなら、フィンランドでは、著名な建築家エリエール・サーリネンやアルヴァ・アアルトを筆頭に、建築家が都市計画の重要な役割を担ってきた国だからだ。「土地利用と建築法(1999年)」という厳しい法律もあり、保育施設も都市計画法の観点から考えられているのだ。
日本の保育園建設の反対運動は、「子供はうるさいもの」という既成概念がベースになっているようだが、この問題を巡って、日本は今改めて子供達を取り巻く周囲の環境や、大人と子供の共存のありかたを考え直すチャンスを得たのではないだろうか。
子供は、その子らしく育っていくのが一番だ。ただ、子供はうるさくなくてはならないのか? うるさくしなくても、子供が楽しくできることは何だろうか? 保育園だけに限らず家庭でも、大人も子供も快適に暮らすために、ライフスタイルの見直してみることも有効かもしれない。日本から8000キロ離れた北国から懸命に考えてみた。

穴瀬博一

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